菅生(すがお)の滝である。
生の字を王とも書き、王は変体がなで「わ」と発音する。
したがって菅王の滝・須賀(菅)王子の滝とも称されるほか、巣川の滝・清川(すがわ)の大滝と書かれることもあった。
顔に黒い墨をぬってこの滝に来た姫君が、滝のしぶきで素顔となりここに住む白蛇に連れ去られたという伝承から「素顔の滝」となったという伝承や、韓国の菅王子という人物がここを仏界浄土として住んだことによるという説、菅の草が生い茂った清々しい所など、さまざまな地名伝説がある。
下流は蒲生川・紫川にそそぎ、農業用水としても利用されていたため、水源の神をまつり旱魃には雨乞いをした江戸時代の記録もある。
高さ30メートルにおよぶ落水は「銀河の九天より落ち降る」と形容された。