平尾台
平尾台では、ドリーネや鍾乳洞など石灰岩地帯に特有のカルスト地形が観察できます。地上に現れている様々な大きさ・形の石灰岩の塊の多くは、地下でつながっています。
この独特な地形を形作る石灰岩は、古生代石炭紀〜ペルム紀(約3億6000万年前〜2億5000万年前)の温暖な南の海でサンゴ礁として堆積したものが、プレートの移動によって今の位置まで動いてきたものだと考えられています。その後、平尾台の石灰岩層は中生代白亜紀(約9000万年前)に貫入してきたマグマの熱によって結晶質石灰岩に変化しました。
現在の平尾台では、石灰岩の卓越する場所以外に、塩基性の火成岩からなる場所もみられます。両地点では、生育する植物や成立している植生およびそれらを食する昆虫の種類にも違いがみられ、地質の多様性が現在の生物の多様性にも関係している例を見ることができます。